不思議な話

不思議な話

震災で従兄弟はたった1人になった。
両親と姉、祖母を失った。
1人で毎日宮城県角田市にバスで遺体を探しに通ってた。不憫に思った母は、従兄弟と一緒に毎日通った。ガソリンが通常通り手に入るようになったら、車で毎日通う。
そして、私は相馬の安置所で探す日々。
6月11日ようやく両親の遺体と対面できた。
宮城県はお寺に仮埋葬してある。遺体には見つかった番号順に番号が記されている。
見つかった日も、場所も番号も全然違うのに両親は並んで仮埋葬されていた。
一緒について行った、私の母は泣いて私に教えてくれた。「不思議なことがあるもんだ…」

私と従兄弟は、何故か不思議と思わなかった。
どちらかというより、「やっぱり」という気持ち。
そそっかしい叔母を心配して叔父は隣に並んだに違いない。
私たちの思惑は、不思議と一緒。

蓋を開けるまでは、全く知らない2人が実は夫婦だった話。

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